終わりかけの永遠に
「次は楽器だなー」

「...俺、楽器弾けないけど」

「いいのいいの!俺が教えるからさ!」


明はおもむろにギターを持ち、適当に掻き鳴らした。

その姿が、俺には本当に輝いて見えて。


「明ってすげぇなー」

「え?そうか?」

「なんでも出来るし、羨ましいや」


俺がそう言うと、明は突然真面目な表情になって、「こんなの練習すれば誰でも出来る。俺は、俺らしか出来ないことをしたい」と言った。


「まぁ、まずは千歳も楽器が弾けるようにならなきゃな!」


明はニッと笑って、俺にギターを渡してきた。


「俺が手取り足取り教えてやるよ!」
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