終わりかけの永遠に
その日から毎日毎日、俺らは部活も放り出してギターを掻き鳴らしていた。

元々俺は写真部で、緩い部活だったからいいけど、明はサッカー部の部長だ。


「明...部活行かなくていいの?」


ずっと気になっていたことだ。
現に明はバンド活動を始める前、サッカー一筋だった。


「んー...俺はサッカーよりバンドが好きになったからさ。好きなことがしたいんだよ!青春って感じだしさ!」


明は今したいことを真っ直ぐにしたいタイプらしい。


「近々退部するつもりなんだ。バンド活動に専念したいし」

「退部!?」


驚いた。
あんなにサッカー一筋だったのに、今はバンドをすることしか見えていないんだ。


「そっか...なら、俺も退部しよっかな」


俺がそう言うと、明は驚いた表情をして、立ち上がった。
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