終わりかけの永遠に
そして、下崎さんと田澤さんが、宮本さんの元に行った。


「...あたし、あんたのこと、嫌いでさ、なんか...嫌がらせしてやろうかなって、軽い気持ちでいたんだ。でも、あんたがそんなに思い詰めてるんだって知って、悪かったって、思った。ごめん。もう、いじめなんてしないから」

「私...頭がいいあんたが羨ましかった。だから、嫉妬心でいじめてた。でもさ、もう、止める。本当、ごめん」


二人がそう言うと、宮本さんは涙ぐみながら、「ありがとう」と言っていた。

騎田くんの思いが、伝わった。


「それとさ、騎田」


一人の男子が立ち上がり、騎田君の元へ歩み寄ってきた。


「俺、騎田のこと、冷たくて絡みにくいヤツだって思ってた。でも、違ったんだな」

「相沢くん...」

「大体、皆の名前、覚えてくれてるんだもんな。冷たい訳ねぇよな。今まで悪かった」

「原くん...」

「私も、関わりにくくて、関われなかった。騎田くんのこと、クラスメイトなのに遠いって思ってた。でも、こんなにクラスのこと、考えてくれてたんだね」

「吉村さん...」

「...俺ら、ちゃんと騎田と友達になりたい」


その言葉の返事を、皆が待つ。

騎田くんはふっと微笑んで、「千歳でいいよ」と言った。
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