身長差43センチのふたり。
2人が出て行って、一段と教室は静かになった。
勉強もはかどる絶好の空間――なのに。
なんで何も頭に入ってこないの…?
帰り道に千尋くんと英単語の言い合いっこをしようと思って、頑張って頭に英単語を詰め込もうとするけれど、何も入ってこない。
何度も何度も頭に過ぎるのは、去り際の島津さんの笑顔。
何であの時、私を見て笑ったの?
どうして私に見せつけるように千尋くんの腕を掴んで出て行ったの?
「……っ、」
分かるような、分からないような。
私の予感が正解なら、私は……どうしたらいいっていうの?
島津さんが…もしかしたら、千尋くんのことを好きなのかもしれない、なんて。
島津さんが千尋くんに想いを伝えたら、千尋くんはいったいどんな反応を見せるんだろう。