身長差43センチのふたり。



――千尋くんと島津さんが出て行って1時間30分経った頃。

未だに勉強のペースがつかめていない私は、2人が出て行って2ページしか英単語のテキストのページを捲っていない。

ノートには、無数の英単語。

いつもは5回くらい書けば覚えられるのに。

真っ白だったはずのノートは、私が書きすぎた英単語で埋め尽くされ、真っ黒になっていた。


――すぐに戻ってくるって言ったくせに。


2人が出て行ってからと言うもの、1回も開かない教室のドア。

2人の様子が気になるなら、コッソリ図書室に行って除けばいいのに、そんなこともできない。

もうあれ以上、2人の親密な様子なんて見たくない――これが、私の本音だった。


ガラッ

『まだいたんだー?』

「っ……?」


荒々しく突然に開いた教室のドア。

挑発するような声につられるように顔を上げれば、教室の出入り口には島津さんが優雅に立っていた。



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