身長差43センチのふたり。
~♪~~♪♪
「っ…!」
身体を縮こませて泣いていると、突如携帯電話が鳴らすメロディに身体がビクリと反応した。
この着信音…千尋くんだ。
パチン、とポケットに入っていた携帯電話を取り出して開くと、画面には"高遠 千尋"という着信を告げる文字。
――出なきゃ。
ピッ、と反射的に通話ボタンを押してしまった。
『もしもし?雛乃?』
「っ……千尋くん…」
携帯電話を耳に当てると、千尋くんの低い声が直接鼓膜を叩く。
千尋くん、と言った私の声は、泣いていたからかひどく鼻声だった。
『ゴメン、遅くなっちゃって。もう帰ったよな…?』
「……うん。」
千尋くんが帰れって言ったから帰ったよ。
何で千尋くんがこんなことを聞いてくるのか分からなかった。それに、私に電話してきた理由も分からない。