身長差43センチのふたり。
『――雛乃。』
「っ……!?」
校門前。
俯いたままくぐろうとしていた私の元に降ってきた低い声。
それは、昨日の夜から私の心を支配していた愛しい人の声だった。
「千尋くん…。」
『やっと捕まえた。』
「……っ」
こんなに早く捕まるなんて。
逃がさない、とでも言うように右手首を掴まれた。
そっか…そうだよね。昨日の私は、あからさまに千尋くんを避けてしまったから。
千尋くんがいい思いするわけないのに…何してんだろ、私。
『何で一緒に勉強したらダメなの?何で、一人で登校しようとした?』
「……。」
千尋くんが聞きたくなるのも分かる。
でも、私の気持ちも察してほしい。こんなのワガママだって、人の気持ちなんて理解できるわけないのに、千尋くんには分かってほしいの。