身長差43センチのふたり。
いつから千尋くんはここで私を待ち伏せしてたんだろうか。
右手首から伝わる千尋くんの体温はひどく冷たくて。
――そう、千尋くんはとても優しい人。私の様子がおかしいと分かったら、雪が降りそうな寒さの中でずっと待っているような心が広い人だから。
「ごめんなさい…っ」
私が傷つけてはいけない。
千尋くんを傷つけたらダメだ。
切なくなるほどに優しい千尋くんを傷つけるなんてことは許されないから、グッとただれた心を押しつぶした。
『俺は雛乃の謝罪が聞きたいわけじゃない。』
「……っ、」
『俺…雛乃になんかした?』
したなら謝る、と言ってくれる千尋くんに、私はブンブンと頭を振る。
千尋くんは悪くない。これは私の気持ちの問題だから。
そう思うのに、正面から千尋くんの顔が見れないのはどうしてなんだろう。
『…雛乃、こっち向いて…?』
そう言い終わる前に私の顎に添えられた大きな手。
千尋くんの手で、クイッと顔を上げさせられた。