身長差43センチのふたり。



結局お守りは見つからないまま、一日が過ぎてしまった。


『雛乃ってば、どこに行ったの…っ!?』


放課後、人の少なくなった教室でまたお守りを探していると、苛立ちを隠せない様子の柴戸が教室に入ってきた。

その隣には久松もいる。


『…雛乃がどうかしたのか?』


ゴミ箱の中も見てみたけれど意中のものはなくて、柴戸に話しかける。

5限目から授業を欠席していた雛乃。

柴戸が先生に雛乃が体調不良で保健室にいると言っていたから、てっきりもう家に帰っていたのだと思っていたが、雛乃の机の横には雛乃の鞄がかかったまま。


『実は…、昼休みにトイレに行くって言ったきり、戻ってこないのよ。』

「え…っ?」

『とりあえず先生には誤魔化しておいて、さっきまで雛乃の行きそうなところを探してたんだけど、どこにもいなくて…、電話も繋がらないし、本当にどこにいるのか…っちょっと!?』


柴戸の話を聞いた俺は、教室を飛び出した。

何で俺はこうゆうときに気付くのが遅すぎるのかと自分を罵倒しながら、片っ端から雛乃を探し始めた。

俺の不安を表すかのように、空はどんよりと曇っていて雨を降らしていた。




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