身長差43センチのふたり。
――「っ、あった…!」
お守りを探し始めてどれくらいの時間が経ってしまったのかはわからない。
地面ばかり見ていたから見つけられなかった。
ふと雨が弱まった空を仰ぐと、木の枝に引っかかっていた青いお守りに気付いた。
あれだ、と思って青いお守りを引っ掛けている木のそばに駆け寄る。
目の前の木に手をついて、上らなきゃ、と決心した。
雨に濡れている木肌はすごく滑りやすくて、気を抜いたら滑り落ちそうになるのを、最後の力を振り絞って踏ん張る。
何時間も生い茂っている雑草の中を捜索していたからか、身体中が泥で汚れている。
これだと制服も泥だらけになってることなんて分かり切ったことだけど、私の頭にあるのは木の枝に引っかかって風が吹くたびに揺れているお守りだけだった。
何年ぶりかに上った木にまたがって、落ちないようにお守りに手を伸ばす。
お守りがある場所に近づくほど木の枝は細くなっているから、うかつに近づけない。近づいたら私が落っこちる。
木の幹から手を伸ばすけれど、腕の長さが足りなくて、あとちょっとなのにお守りに届かない私の泥だらけの手。
風が吹くたびにお守りが揺れて、私とお守りの距離が広がったり縮まったり。
お願い、じっとして――っ
ガサッ――チリン…ッ
「……っ」
風によって大きくこちらに揺れたお守りを見逃さずに手を伸ばした。
やっと手に入れたお守りに、ほっとした瞬間だった。
ズル――ッ
「きゃ……ッ!?」
身体の支えになっていた足場のバランスが崩れて、私の体は濡れた地面に一直線に落下した。