身長差43センチのふたり。



『今週の金曜日は何日だっ!?』

「え?…んーっと、14日?」


それが?

いきなり日にちの問題なんて出して、どうしたんだろう?


『今は何月!?』

「え、2月でしょ?――っあ!」

『そうよ!やっと気付いたの!?』


2月14日――バレンタインだ…!

どうして今までそれに気付かなかったんだろう。

ようやくバレンタインという恋人にとって重要なイベントを思い出した私にあきれているのか、目の前の華ちゃんは額を抑えて肩を落としていた。

ありえない…と呟く華ちゃんに、ごめんなさいと素直に謝る。


『ここまで来ると高遠が可哀想よ。』

「う…。」


的確すぎる華ちゃんの言葉に私は何も言えない。

確かに…。華ちゃんに言われなかったら、私…金曜日はチョコも用意せずにテスト勉強しかしてなかったと思う。

そのことが意味する重大さにゾッとした。



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