身長差43センチのふたり。



『やっぱ…あげたほうがいいよね…?』

「今までチョコあげてた?」

『あっ、あげるわけないじゃんっ!』


目の前の華ちゃんはリンゴみたい。

幼馴染なのに、今まで一度も久松くんにバレンタインデーに義理チョコもあげたことはないらしい。

なんてウブな…。

でも恥ずかしすぎて渡せないと言う華ちゃんを見て、そのほうが華ちゃんらしいなと思った。


「じゃあ、一緒にチョコ作ろうよっ!」

『・・・へ?』

「1人で作るより、華ちゃんと一緒に作ったほうが楽しいし!ね?」


久松くんにチョコを渡そうかどうか迷っている華ちゃんをなんとか説得させる。

このままじゃ、華ちゃんは今年も久松くんにチョコを渡せずに終わっちゃう。

華ちゃんが私を想って千尋くんの背中を押してくれたように、私だって華ちゃんの背中を押したい。


「渡すかどうかは別として、作っておこう?」

『……うん。』


最後のひと押しで華ちゃんは戸惑いながらも頷いてくれた。

そうして、明日の放課後、私の家で一緒にチョコ作りをすることに決まった。



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