無意識に僕の心は君を写す。【超短編】
~北風と君~
帰り道、長い影が僕らの前に延びている。
君は今日笑った出来事を僕に話している。
楽しく笑う君は僕の心をいつも温めてくれる。
寒くない?
この一言がどうしても言えなかった。
その時。…風が君を包んだ。
寒いね。
白い息で手を暖めている君。
北風が僕にチャンスをくれたのかもしれない。
2つの影が寄り添うように近づいた。
ふいに君が僕の名を呼んだ。
君の冷たくなった唇が僕に触れた瞬間、
僕の周りだけ南風に変わってた。