優しさに包まれて
由華が追いかけて来たことが嬉しかったのに素直に喜べない翔は、由華の言葉に笑うことしか出来なかった。

『タクシーで帰ったら、すごい金額になっちゃいますよ。もし良かったら、始発まででも私の部屋に来ませんか。』

早口で話始めた由華。

『お前、男を部屋に入れるって、どういうことか、わかって言ってるのか?』

苦笑いの翔に真剣な顔で、由華は答える。

『もちろん、わかってますよ。』

『だったら、そんな…』

翔が言い終わる前に

『私、課長が好きです。』

由華は、はっきりとした声で言った。

< 104 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop