優しさに包まれて
『そっちに行くよ。』

そう言って切れた電話。

『公人、あの2人って付き合ってるの?私、由華から何も聞いてないんだけど。』

『俺も知らないよ。でも…優希、見て、あの手。』

こちらに向かってくる2人の手は、しっかりと恋人繋ぎで繋がっていた。

『いつの間に…。』

優希が呟く。

手を繋いだまま、カフェに入ってきた2人に俺はニヤニヤした顔で挨拶をする。

真っ赤になった浅菜さんと、困った顔の翔。

『由華。おはよ。2人が、付き合ってるなんて私、知らなかったよ。』

『ごめん。優希…。でもね、付き合いだしたのは昨日なの。あの後、課長と色々話してね、お互いに同じ気持ちだったってわかって…それで…。』

『そっか…。良かったね。』



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