優しさに包まれて
視線
会社までの時間は10分。

最寄り駅とは反対側だから、会社の人と会うことは少ないはず。

部屋から出たら名前で呼ぶのはやめようと思ってたから

『部長…。そろそろ手を放してもらわないと誰かに見られちゃいます。』

そう伝えると

『優希。また呼び方が部長に戻ってるよ。』

そう言って斜め上から私を見つめる公人。

『でも、もうすぐ会社ですから…。』

『会社に着いたらでいいだろ。』

立ち止まって話していた私たち。

すると後ろから

『部長、小見山さん、おはようございます。』

と声がした。

振り向くと、そこには私たちが付き合うきっかけとなった人が立っていた。

『向井、おはよう。』

公人は笑顔で答える。



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