優しさに包まれて
『おはようございます。』

私は、向井くんの顔を見ることができずに俯いた。

『朝から手を繋いで出勤なんて見せつけてくれますね。』

向井くんの言葉に公人は、

『悪かったな。でも、俺以外の男に触られたりするのは耐えられないから、優希は俺のだって見せつけとかないといけないからな。』

そう言って笑った。

向井くんは顔を歪めて、そのまま私たちを置いて会社に向かっていった。

『部長!』

『部長じゃない。まだ会社に着いてないだろ?』

『でも…。』

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