血みどろミドロ
 俺が部屋に戻ってきたのはそれからおよそ三十分後。

 スーパーまでの距離は比較的近かったのだが、肉選びに少し時間を取られた。

 一体どの肉がいいのか……

 牛、豚、鶏。

 ロース、バラ、肝……

 種類にしろ部位にしろ、選択肢はそれなりにある。

 それに、スーパーに並ぶ肉はどれも食用に加工されてしまっているので、血抜きされていない、という点に関してもクリアするのが難しかった。

 さんざん迷った挙句、俺は一番安かった豚のバラ肉を選んで帰ってきていた。

 たかが奇妙な生き物ごときに、高い肉なんか用意したくない。

 今朝襲われた恨みも込めての事だった。

 とりあえず、これでこいつの食糧は確保できた。

 問題は、この肉をどうやって食べさせるのか。

 せっかく襲われないために買ってきた肉も、こいつが認識してくれなかったら、また俺が襲われる羽目になる。

 それだけは絶対に勘弁して欲しい。

 俺はミドロの体を注意深く観察したーー
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