飼い猫と、番犬。【完結】
どっちが年上でしたっけ、と少々本気でわからないことを考えつつ。
二人に心配をかけてしまったことは確かに申し訳なく思うのに、心の隅でちょっとだけ嬉しくて。
そんな不謹慎な私に呆れた顔で息を吐いた山崎の手が伸びてくる。
「何笑てんねん、自分も悪いねんぞ阿呆。熱があるんは間違いないんやし、あん人もほんまに大丈夫か言うてやったで。どないすんのや呆け」
「ひゅ、ひゅひひゃひぇん……」
ぐいぐいと摘ままれる頬は結構本気で痛い……んだけど文句は言えない。
最近ではこの生活にも慣れてしまってつい危機感が薄れがちなのだけれど、あの人に知られたら困るのは私。
私以上に私を気にかけてくれる山崎に今度こそ申し訳なくなって眉を下げると、また溜め息が吐き出される。
「ま、あん人には必要以上に近づかんこっちゃな」
「……はい」
「一応お粥さんもろてきたあるけど食うか?大分冷え冷えやけど」
けどちゃんと叱ってくれつつも最後には優しいその人に、さっきまでの不安が溶けていくから。
やっぱりちょっと、頬が緩んでしまう。
「食べます」
「その前に薬」
「む……っう!ーーまずっ」
「暇やったさかい緩めに丸めてみてん。ぺっとりあと引く美味さやろ?ほれも一つ」
「やっ、普通に水で飲」
「遠慮しな、俺がゆっくり味わわせたるさかいに」
「ちょっ、んんっ!」
希望を言えば。
意地悪なのか変態なのか、たまにちょっと粘着質なところだけは出来たら直していただきたい。