私の決心
「目を開けたまま、気を失ってるのかと思った。」

柔らかい部長の笑顔に私もそれに微笑む。

「完全に別の世界に行っていたみたいです。」

「そんなに緊張したか?」

「はい、やっぱり私も女なんですね。好きな人の前で初めて全裸になるのに、こんなに緊張してしまう
なんて。」

そう言って部長に私はくすくすと笑う。

その瞬間、部長の左手が私の頭の後ろに回された。

「部…ちょ…。」

すべてを言い切る前に唇を塞がれてしまった。

若い子達がするような激しさはない。

お互いがお互いを味わうような深い深いキス。

部長の静かな思いが籠っているような、それがしっかり伝わるキス。

知らぬ間にそれにこたえている自分が居た。

一瞬唇が離れると、

「真砂子は俺の下の名前知らないだろう?」
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