好きを百万回。
結弦さんは飄々とした体でグラスを口に運び、わたしの顔を見た。
「あの・・・・・えっと・・・・・?」
野波さんのお友達だというのに、この人は何を言っているのだろう?
「条件だけならオレでもええやん」
条件・・・・・?
「ごめんなさい、わたしは野波さんのことが好きなんです」
箸を置いて頭を下げる。
「なんで?」
テーブルの向こうから面白そうに折田さんも黙って成り行きを見守っている。
「・・・・・王子様なんです」
「は?」
「本来ならね、わたしなんかには手の届かない人なんです」
自分で言って苦く笑う。
「何もわざわざわたしみたいなフツーの娘を選ばなくても、いくらでも釣り合いの取れた綺麗で優秀な人がいるっていうのもちゃんと分かってるんですよ」