好きを百万回。
小谷さんにお礼を言い、仕事のことはまた後日本人から連絡すると伝え、帰っていただいた。
少し頬がこけたお母さんの顔をじっと見つめる。
時間の感覚がなくてぼんやりしていると、お母さんの睫毛が震え、力無く瞼が開いた。
ゆっくり周りを見回して、やがてわたしに視線を止める。
「こまり・・・・・」
「気分は?」
「よく寝たわ。スッキリ」
「もう・・・・・・・・・・!」
お母さんの点滴が入っていない方の手が伸びてきて指先でそっと目の下を拭われた。
知らない間に涙がこぼれていたようだ。
「ごめんねぇ・・・・・こまり。末期癌なんて何の冗談かと思うわ」
「・・・・・聞いてへんかった・・・・・」
「わたしも2週間前に知った」
お母さんが笑う。
「笑い事と違うし」