好きを百万回。
打ち明ければきっと、朔也さんは何とかしようとしてくれる。
矢口さんのつく嘘を常務にも否定してくれる。
だけど・・・・・。
どんな小さな傷も、朔也さんの人生につけたくない。
それに、矢口さんをもし選べば朔也さんの銀行での未来は磐石になるのかもしれない。
仕事を終えて、地下鉄駅の近くのカフェで時間を潰す。8時までいて、朔也さんの家に向かう地下鉄に乗った。
重い足を引き摺るように動かし、マンションのインターホンを押す。もう帰ってるだろうか。
『はい』
「こまりです」
『こまり?』
オートロックが外れる音がしたのでエントランスへ入り、エレベーターに乗る。
朔也さんの自宅の階に着き、エレベーターの扉が開くと、そこには朔也さんが立っていた。