好きを百万回。


腰を引き寄せられて志田くんに抱き締められた。驚いて花束が入った紙袋を落とす。

「・・・・・志田くん!」

「好きです!」

「ーーーー!」

「いっつも冗談ぽく流されてたけどオレ本気です!寂しそうに笑うあなたが本気でーーー」

志田くんの言葉を最後まで聞く前に後ろから強い力で引き剥がされた。

背中に感じる荒い息遣い。
コロンに混じって少し汗の匂い。

「ーーーふざけんな!」

「野波さん・・・・・?」
わたしから引き剥がされた志田くんが訝しげに呟いた。

「所有権は2年前からオレにあるんだよ!」

胸の下にある後ろからまわされた腕に力が入れられた。

盆地の京都の夏は暑くて、夜になっても熱気は大して冷めない。

背中に感じる体温はその熱気よりも熱くまとわりつく。

野波さんがどうして・・・・・?
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