好きを百万回。


まだこの状態が続くのかと恐れていたら、ホテルは1泊しか取っていないから家に帰るぞと洋服を着せられた。

なんとか身体を奮い立たせ、チェックアウトを終わらせた野波さんにタクシーで帰ると告げる。

「アホか」

と単純かつ明快な言葉で否定された。腰を支えるようにされ、ホテルの駐車場まで連れて行かれる。

見覚えのある車の助手席に座らされて、野波さんが車を出した。

「昨日、車で出勤してたんですか・・・・・?」

「送別会終わったらこまりを速攻でホテルに拉致して週末は家に監禁する予定にしてたから」

「か、監禁・・・・・っ?」

「そう。でないとお前また逃げ出しそうやし」

車が高速に入った時点で、京都市内のわたしの家には帰してもらえないことを悟った。

「送別会で気が付いたらお前が居なくなってて、慌てて外に出たら他の男に拉致られてるとか最低や」
< 254 / 266 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop