好きを百万回。


肩を竦めて、両腕で自分を抱きしめる。

「ホントはさ、カッコよく自分のコートを脱いでかけてあげたいんやけど」

「?」

背中から野波さんがわたしを包み込む。

「オレもトシのせいか寒くて」

野波さんのコートの中に入れられて、彼がポケットに入れた両手をわたしのお腹のところで止める。

「の・・・・・野波さん・・・・・?」

拘束された身体をほんの少しよじって見上げるように顔を上げる。

「まだ寒い?」

「・・・・・寒くは・・・・・っていうか近い・・・・・」

「イヤ?」
・・・・・・・・・・イヤ?
この間から野波さんが優しくて甘くて、その距離感に戸惑ってばかりだ。今も触れ合った背中から熱が上がっていくような気がする。
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