ナミダの先はキミと。
中央パーク。



オシャレな若者が集う場所。





私には縁のない場所だと思ってた。



そこに(むりやり)連れてこられた。




「ねぇ、待ってよ百河くん!」




「翔。」




…や、そうじゃなくて!




「なんで中央パークにあたしなんか…




「あの、ちょ〜っとお時間頂いてもよろしいですか〜?ワタクシこういう者なんですけど。」




と、遮られ名刺を渡された。




「今ですね、“Jack Jack”という雑誌に載せる写真取らせてもらってるんだけども、お願いしてもいいですかね?」




「いや、私は…




「ぜひ!綺麗に撮ってくださいね!」




彼が食い気味に答えた。




“Jack Jack ”とは

若者の女性向けの雑誌で、街で見かけた人の写真を載せるコーナーがある。



それをどうして私が…




「ひよが可愛くて目にとまったんだよ。」




私の考えがわかるかのように彼が言った。




「じゃあ撮りますよ〜。彼氏さん、もーちょっと寄ってもらえます?」




「はい」




うぅ…近い。ドキドキしてるの聞こえてないかな?






「はい!お疲れ様です、ありがとうございました〜。この写真は来月の雑誌に掲載されますので!」




そう言っていなくなったカメラマンさんをぼーっと見ていた。



やや放心状態の私に、




「来月の雑誌買わなきゃな!ひよ!」




「百河くん、だからひよって




「翔!」

< 5 / 12 >

この作品をシェア

pagetop