ナミダの先はキミと。
素直になれない
しばらく経って。





ガラガラッ



教室のドアを開ける。



囲まれた中から私を見つけ声をかけられる。




「ひよ、おはよぉ!」




「お、おはよ…」




女子たちの視線が刺さる。




『なんでアイツが?』




『翔、なんか変わったよね。』




何のことだろう。




「ひよ、こっち来いよ。ほら、こないだの!」




見ていたのは雑誌だった。


タイトルは





《今ドキ!
街で見かけた美男美女カップル♡》





え…?




「百河くん、私こんなの聞いてな




『これ、どういうこと?』




そんなの聞かれても困る。



私だって知らなかったんだから。




「なんで私に聞くの…私だってわかんないよ!」




私は逃げるように教室を出た。

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