十日目の判決 -完-




駅前のアーケードで結希と待ち合わせだ。改札から外へ出ると、


あ、結希がいた。時間前に待ち合わせ場所に居るとは結希らしい。きっちりしてるな。

学校とは違う制服では無い私服の結希。いろんな学校外での結希を想像できたけど今、見ると予想以上で意外だけど結希は自分に似合うのを良く分かってる。

学校の姿からはミニのタイトスカートは想像出来ないけど本当似合う。足きれい。


そして、今日は綺麗な黒髪をもったいぶらずにおろして靡かせている。結希は髪をおろすと雰囲気がガラリと変わる。

ふわりと吹いた風に結希が右手で髪をおさえ、すると私の方を見て私に気づくとはにかみ笑顔を見せた。


「結希ーっ、昨日ぶり」


私は結希のところへ近ずいて結希の隣りに並んだ。


「ふふっ、昨日ぶりだね。今日一日、いのちゃんとデートだ!」


えへへと、結希が笑う。結希は今日は前髪をピンで留めるなんて事はせず、自然に真ん中で分けて片耳に髪をかけている。

すごい変わりぶりだ。学校での結希と妖怪スピーカーを想像するのは難しいけど、休日にデートする2人ならすぐに想像がついた。お似合いだな。



「いのちゃん、学校と全然違うね。すごく可愛い、似合うね」

「結希こそ、すごい似合ってる」


結希も女子高生だ。フアッションは詳しいのだろう。すごくおしゃれ。ほんとに。


大人っぽくもなく子供っぽくもない、そこには結希らしさしかない。誰が見ても結希は可愛いのだ。

顔の前へたれてきた髪を耳へまたかける結希。
その仕草を私は前にも見たことがある。












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