大切で大切すぎる友達
お母さんが昨日クローゼットの扉にかけてくれたのであろう制服と、ぐちゃぐちゃの部屋の床から発掘した下着を持って、1階の洗面所にダッシュ
長い髪を後ろにまとめて、顔を洗顔。そして、歯磨き。
同様に朝寝坊をし洗面所にダッシュしたのであろう、慌てまくりの大学生のお姉ちゃんと洗面所で押し問答。
お姉ちゃんはまだ大学は始まっていないが、今日は朝からバイトのようである。
制服に着替え、後ろにまとめた髪をほどき、とく。
朝ごはんも食べずに、鞄に貴重品と携帯と筆記用具を突っ込み、
「行ってきまーす」
と家を飛び出した。
家から駅まで走りながら、鞄から携帯を取りだし、沙織に、5分遅れるとメールを送った。
沙織は小学校から一緒で、対して仲が良いわけでもないのだが、家が近いので、小学校の時から、最寄りの駅で集合して一緒に登校だけしている。