大切で大切すぎる友達


「ごっめーん」


きっかり5分遅れて駅に到着。


「うううん。始業日から遅刻とはかんならしいね」


「ごめんって」


「いや、全然良いんだけどね」


相変わらず毒舌な沙織。でもなんやかんやで優しい。


誰に対してもこんな感じの子。


・・・だと思う。


小学生の頃からなんやかんやで同じクラスになったことがなく、私は沙織が普段誰と仲良くしているのかもなにも知らない。


そして、今のこの距離感はお気に入りだ。


今まで親友と呼べるような人なんて作ったこともなければ作りたいとも思わない。


自分でも冷めてるなって思うが、別に、これでいて、今まで、クラスの中の、1番上とも呼べるようなグループにずっと属してこれたのだから対して問題もない。


でも、沙織のことは普通に好きだ。


登校中に話すことは、いっつも芸能人の話だけ。


別に決めたわけじゃないけど、勝手にそうなってて、そして、普通に楽しい。


今日もいつものように、


「昨日ドラマみた?」


「うんうん」


なんて話をしながら登校。


私たちと同じ最寄駅の人はいないから沙織と二人。


乗換をするときくらいから、同じ学校の人たちが現れ始める。


そして、友人をみつけて、みんなで一緒に登校をし、毎回違う人とたわいない話をしながら学校へと向かう。


< 4 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop