大切で大切すぎる友達



「かんなちゃん!おはよー!」


学校の最寄りの駅で降り、沙織は他の友達の所へ行ったので、1人で歩いていると声をかけられた。


昨年同じクラスで、同じグループだった子。


クラスの中で一番上の地位のグループだったが、特にリーダー格の子もいなくてラクだった。


でも、お互い思い入れもなかったし、この学年になったら、クラスも変わるし、全く同じ人員のグループはもうできないだろう。


新しいクラスが一緒になった子とまた一緒にいて、そのクラスの新たな1番上の地位のグループをまた作るのが、おちだ。


私も同じようなことを、またするのだろう。


なんて、思いながら成美ちゃんに挨拶を、返す。


「なるみちゃん!おはよ!っ…て?隣の子…?」


衝撃を受けた。


男の子のように短く切られた髪。


さわったらきっとふわふわだろう。


まるでわたがしのようで、太陽に反射して茶色に輝く。


髪と同様、全身色素が薄いように感じる。


真っ白な肌。


そして少年のようなすらっとした体型。


茶色い瞳のおっきくて少しだけつりあがってる目。


高くて綺麗な形の鼻。


ピンク色の薄い唇。



美しい。かっこいい。その中にあるまだ中学生のあどけなさ。
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