【完】好きになれよ、俺のこと。
そう言ってもまだ不安気な表情のお母さんは、学校を休んだらって言ったけど、さすがにそれは断った。
頭の痛みなんて、すぐに消えちゃったもん。
……それに、安堂くんに会いたいし!
と、安堂くんに会えるのを楽しみにして学校に来たというのに。
「じゃあねー、陽向!
早く帰るんだよ!」
「ばいばい、なっちゃん……」
結局会えないまま、いつの間にか放課後になっていた。
部活へと向かうなっちゃんに手を振り、その姿が見えなくなると、
「はぁー……」
と机に頬杖をつき、大きな溜め息をついた。
あーあ、安堂くんに会いたかったのになぁ。
今日はついてなかったのかも。
なっちゃんは部活に行っちゃったし、他のクラスメイトもそれぞれ部活や家に帰っちゃったから、私は教室にひとりぼっち。