イジワルな先輩との甘い事情
こんな場所でキスなんて……。
嬉しいとかドキドキだとかいう感情よりも、どうしようとか、誰かが来たら……だとかそういう心配の方が大きくて戸惑う。
誰かが入ってきたら音で分かるかな、ってバレないかハラハラしながらいくつもの並んだ棚の先にあるドアの方を見ていると。
「ちゃんと俺に集中して」
先輩がそんな無茶な事を言い出す。
「で、でも、ここ会社で……っ」
口答えしようとした声が、先輩の咥内に消える。
深く合わせられた唇から舌が差し込まれて、背中をぞくっとした感覚が駆け上がった。
すぐに見つけられた舌が、先輩のそれになぞられ弄ばれる。
それでも集中できずにいる私を咎めるように舌を甘噛みされて思わず肩が跳ねると、さらに深くまで重なった。
「……ふ、ぅ……っ」
俯きそうになった私の顎を先輩が手で掴んで固定する。
もう片方の手は、私の腰を抱き寄せていて……近い距離に、割り込まれた膝に、意識がトロンと溶け出す。
足の間の壁に先輩が膝を立てるから、制服のスカートが上がってしまう。
私の顔からいつの間にか移動していた手に、露わになった太腿を撫でられてびくって身体がすくんだ。