イジワルな先輩との甘い事情
「多分、古川さん、柴崎先輩と北澤さんの関係、知ってると思いますよ」
「え……」
「私の同期が見かけたらしいですけど、あの人、北澤さんの家までついて行ったりしてるらしいですし。
柴崎先輩が北澤さんの家出入りしてるなら、見られた可能性もなくはないと思います」
驚いて黙った私に、安藤さんが眉を寄せて続ける。
「さっきのシュレッダーも、だから柴崎先輩を指名して頼んだんじゃないですか?
問題になった時、柴崎先輩が勝手にやった、みたいにするつもりだったんじゃないですかね。北澤さんと仲がいい腹いせに」
「まさか……」
「まぁ、多少深読みしすぎかもですけど、ちょっと用心しておいた方がいいと思いますよ。
あの人、なんか、何するか分からなくて危ないタイプに見えるんで。業務時間内に自分の仕事放置で恋愛優先って普通の考えじゃないですもん」
「……うん」
私の声が小さかったからか、元気づけようとしたのか安藤さんが背中をぽんと叩いて笑う。
「安心してください。社内では私が守りますから。
なんていっても戦友ですからね」
古川さんの事は正直、気になったけど……頼もしい後輩の言葉に、「ありがと」と笑顔を返した。