【短編】みぞれ恋心
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別に、出会いなんて意識していなかった。

ただただ平凡な毎日を送るだけの、しがない高校生。

それが僕だった。


強いて言えば受験生で、だけどそれも終わりにさしかかる。


進学はせずとりあえず就職組として学校に行く。


就職だなんて御大層なもんでもなく、家の商売を継ぐだけ。


家はただの甘味処だ。

これが京都なんかの出ならば良かったのだけど、生憎そうではない。


兵庫県神戸市、東灘区のとある島。


単にそれだけ。


抹茶とたこ焼きとアイスとシュークリームとあんみつ類とくずきりを出す変な店だ。


由緒も何もない。
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