~恋に気付くとき~
眠れない夜を過ごした。

トールちゃんがいない朝がきた。


「お母さんっ、行ってきますっ。」


いつものように、玄関を開ける。

……そこに、トールちゃんの姿はなかった。

当たり前だよね。


これで良かった。


あたしたちは本当の兄妹じゃないんだもんっ。

いつかは別々の道を行かなきゃなんだから…。

きっかけが、些細なことだったけど。


でも、これで良かったんだっ。
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