イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
「違います!見たでしょう?私の……その……はだか……」

「ああ、見た」

おろおろする私の様子を面白そうに眺めながら、刹那さんが頷く。

「……ああ~、やっぱり……」

あっさり答えられ、ショックで死にそうになった。

ガーン、ガーンと頭の中で鐘が鳴る。

「……それは、とんだお目汚しを……じゃなかった。あ~ん、どうしよう~。お願いです!見なかった事にしてください。忘れてください。記憶から消してください。実家に帰らせてください~」

もうおしまいだ。生きていけない~!

ベッドの上で刹那さんに向かって土下座しながら私は必死でお願いする。

「たかが裸を見られたぐらいでそんなに騒ぐな」

刹那さんは起き上がると、近くに置いてあったスマホを手に取り私の事を放置してメールを確認しだす。

私のこの一大事にメールなんか見るなんて酷い!
この冷血メガネ男め!
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