イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活

「それって……私が食いしん坊だと？」

膨れっ面で刹那さんに目を向けると、彼は面白そうに目を光らせた。

「冷めるぞ、良いのか？」

「良くないです！頂きます」

話を上手く逸らされたが、今はまあいいだろう。せっかくのお茶漬けが不味くなっては困る。

素直に手を合わせて箸を持つと、ニマニマしながらお茶漬けを堪能する。

鯛もいい感じで味が染みてるし、美味しい。

思わず顔が綻ぶ。

「これも、なかなか旨いな」

お茶漬けに夢中になっててすっかり刹那さんの存在を忘れていたが、彼もどうやら気に入ったらしい。またお代わりをご所望。

まあ、美味しく食べているなら出してあげようと上から目線で二杯目をささっと作って刹那さんの席の前に置き、お茶の準備をして湯のみにほうじ茶を注ぐ。