イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
完治までに三週間程かかるらしい。

私がハーッと溜め息をつくと、刹那さんに頭をはたかれた。

「一応、女なんだから跡が残ったら困るだろ!ちゃんと受診しろ」

一応って……酷い。まあ、女子力ないけど……。

「……はい」

……なんか刹那さんて私の保護者みたい。お兄ちゃんがいたら、こんな風に面倒見てもらえたのだろうか。

明日の診察の予約をしてマンションに戻ると、右京さんにお礼を言って刹那さんの部屋の前で別れる。

右京さんは刹那さんに抱き上げられる私を見て嬉しそうに微笑んでいた。

私は自分で歩きたかったけど、帰りも刹那さんに歩くことを却下され、泣く泣くこの羞恥に耐える。

恥ずかしい~‼右京さんの記憶、消してしまいたい~。

刹那さんにいつもの寝室に運ばれ、ベッドに座らされた私は彼に頭を下げて謝った。

「……ご迷惑おかけしてすみません」

もう今はそれしか言えません。

今日こそはって思っていろいろ気をつけてたのに、寄りによって火傷して刹那さんだけじゃなく右京さんまで迷惑かけちゃって。

ほんと自分が情けない。

「いいから寝ろ。もうすぐ二時だ」

「……はい」

私がベッドに横になると、刹那さんは私の火傷した場所に触れないようにそっと布団をかける。
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