イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
「明後日からだ」

「ひょっとしてお姉ちゃんを探しに?」

「いや。完全に仕事だ。ラスベガス進出のための視察」

「視察って言ってラスベガスでカジノ三昧なんじゃないですか?」

疑いの眼差しで刹那さんを見ると、冷ややかな目で返された。

「カジノなんかやっても時間と金の無駄だろ?それより、火傷の跡はどうなった?」

刹那さんは私に近づくと、屈んで私の足にそっと触れながら注意深くチェックする。

「……やっぱり水ぶくれ出来たな。朝食食べたら病院に行くぞ」

「行くぞって刹那さんも一緒に?仕事はいいんですか?」

「午前中は休みを取った。じいさんの見舞いもあるしな」

「あっ、お祖父さんその後どうですか?」

……お祖父さんの事、すっかり忘れてた。

私って……自分しか見えてなかったな。反省、反省。

「結婚式の二日後に手術を受けて、今のところ経過も良好だ」

「良かったあ。刹那さんも安心ですね。私もお見舞いに行っても良いですか?」

私がにっこり笑うと、刹那さんも微笑み返した。
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