イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
寝不足って言っても、刹那さんの倍は寝てると思うけど……。

「何がおかしいって?」

黒のジャケットとパンツにグレーのシャツを品よく着こなした刹那さんが黒のスーツケースを持って現れる。

グレーのシャツからは鎖骨が見えて、すごくセクシーな雰囲気だ。

「いえ、火傷したところが痒くって」

「痒いからって掻くなよ。チェック表も写メするの忘れるな」

ちょっと怖い顔で注意される。

「チェックはしますけど、写メの必要はないのでは?」

反論すると、刹那さんに拳で頭をグリグリされた。

「うちが火事にならないか心配なんだ。いいか?」

痛い~。暴力反対。

「わかりました、わかりました。刹那さん、痛いから止めて下さい~」

私が抗議すると刹那さんは手を止めたが、次の瞬間、彼にギュッと私の身体を抱き締められた。

彼にすっぽり身体を包まれる。お互いの身体が密着してちょっと恥ずかしいし、なんだかドキドキする。
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