イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
「まあね。シェイクスピアの全集を納品してきたところだよ。そう言えば……」

久世さんが手に持っていた本のカタログのあるページを開いて私に見せる。

革の装丁の3巻本。これは……。

「桜子ちゃんの大好きなオースティンの『高慢と偏見』の初版がオークションに出るんだ。うちが落札出来たら桜子ちゃんに見せてあげるね」

久世さんがにっこり微笑む。

オースティンの初版なんていくらするんだろう。

オークションに出品される位だからきっと高額だよね。

ああ……見れるものなら本物見てみたい!

「ありがとうございます!」

久世さんの話にちょっと気分が明るくなる。

いまなら聞けるかな?あの飴の事?

「久世さん……あの……」

私が呼び掛けると、久世さんは私にニコッと笑顔で応えた。
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