イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
「ん?何?」

「あの……」

この笑顔が神々しい。

ああ……やっぱり聞けない‼嘘ついてませんよねなんて……。

「あの……今日もスーツ素敵ですね」

はは……私ってなんて意気地なし。

私の褒め方がおかしかったのか、久世さんは訝しげに首を傾げた。

「……ありがと。桜子ちゃん、大丈夫?顔色も悪いし、病院に行った方がいいんじゃないかな?食欲もないんでしょう?」

久世さんが私のトレーを横目でチラリと見る。

「ち、ちょっと睡眠不足なだけなんです。火傷したとこが夜中に痛くなったりするから……」

私は作り笑いをして取り繕う。

「そう?心配だなあ」

私の心の中を探るように久世さんが私の瞳を捕らえる。

「大丈夫です」

ニコッと笑うが、顔がひきつる。

嘘をつくのって……辛い。
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