イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
「牛丼です。高級店のじゃなくて、その辺のチェーン店のをガッツリと」

鷹司さんの目をじっと見据えながら挑戦的に答えると、彼は何故かフッと微笑した。

……まるで私がそう言うのを知っていたかのようなその反応。

だが、今はそれよりも……このぐうぐう鳴るお腹の音をなんとかしたい。

いくらお腹を押さえてもお腹の音は空腹を訴え続ける。

こんなイケメンにお腹の音を聞かれてると思うと、穴に入りたくなった。

「その煩いお腹をなんとかしないとな。榊、どこか適当なところ見つけてくれ」

「了解」

いつの間にか運転席に乗り込んでいた榊さんが、クスクス笑いながら車を発進させる。

数分後、有名チェーン店の前に車が停車し、鷹司さんに今度は手を捕まれ車から降ろされた。
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