イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
「……牛丼の並でお願いします」

小声で呟くと、鷹司さんは素早く券を買って私の手を引いてカウンター席に座ると店員に券を渡した。

……何でカウンター席?

絶対テーブル席に座るかと思ったのに。

距離が出来れば彼の事など気にせず、食事出来るかと期待したのだけど……。

顔が見えなくても、体温が伝わりそうなこの距離。直接顔が見えないのに彼の存在を強く感じる。

なんか……調子が狂う。

私が立ったままでいると、鷹司さんに突っ込まれた。

「早く座れ。落ち着かない」

「……はい」

観念して渋々横に座り、テーブルに置かれた水を何度も口に運ぶ。

こっちが落ち着かない。
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