イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
「言うと思った。今日は許してやるが、明日は保証しない」

刹那さんの胸板をドンドンと叩いて抵抗する私に、刹那さんは勝ち誇ったような笑みを浮かべた。

「そんなあ~」

刹那さんの意地悪!

ガクッと項垂れると何だかどっと疲れが出た。

今日はいろんな事があったし、もう限界……。

「刹那さん……もうダメ。眠い……」

刹那さんの腕の中に私は倒れ込む。

そこからは、いつものパターン。

次の朝目覚めると刹那さんのドアップの綺麗な顔があって、私は絶叫した。

こんな日常も幸せ……かな?







身代わり婚から一年後。

私と刹那さんはイギリスのとある町の小さな教会にいた。

今、刹那さんと私はハネムーン中。

籍はすでに入れていたけど、今日が私達の本当の結婚式。

お姉ちゃんからは気前よくウェディングドレスとルブタンの靴をプレゼントされた。今度はサイズも合っているし、刹那さんが「綺麗だ」と褒めてくれたのがとても嬉しい。

だって、刹那さんはお世辞は言わない。

だから、彼の前で思わずガッツポーズしたら爆笑された。
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