イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
それから、私は刹那さんが用意した婚姻届に署名をした。

署名をしたのは二度目というのに、今回の方が凄く緊張した。

指先が震えて、ペンがなかなか前に進まない。

何とか書き終わると、刹那さんがよしよしと頭を撫でた。

「明日、区役所に提出したら書類に不備がない限り、鷹司桜子だからな」

鷹司桜子……。

なんか改めて言われると、ずっしりと重みを感じる。

だって、あの鷹司刹那の嫁になるんだもん。

「……刹那さん、どうしよう？緊張してきた～」

「そのうち新しい姓にもなれるさ。邪魔者も障害もなくなったし、今夜こそ本当に桜子を食べようか？」

刹那さんの目が妖しく光り、彼にギュッと抱き締められる。

あれれ……。ついさっきまで感動の空気だったのに……。

急に空気が変化した。

身の危険を感じる。さすがの私も学習した。

「刹那さん！駄目です～！そういう事は結婚してからですよ！」

私に近づく刹那さんの胸に手を当て必死に抵抗する。

でも、刹那さんは余裕顔。
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