イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
彼は姉とは幼稚園から高校まで同級生だった。

私も姉とは二歳しか違わないし、鷹司さんの事は学校でも有名人だったから知っている。

いつも生徒会長をしてたし、背も百八十位あって顔もイケメンで頭もいいし、女の子のファンクラブもあった。

眉目秀麗、文武両道、才色兼備……そんな四文字熟語が浮かんでくるほど非の打ち所のない人だ。

でも、私には完璧すぎて冷たい感じがして、彼を見ても他の女の子達のように胸が躍る事はなかった。

「……この度は……薫子が……申し訳ありません」

父が鷹司さんの登場に動揺しながら、絨毯に手をついて土下座する。

「代理を立てれば良いだろう」

鷹司刹那の手がすうっと空を舞ったかと思えば、その長くて綺麗な指先がピタッと私を指して止まる。

「え?」

間抜けな声が出た。
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