イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
「桜子、時間がないぞ!」

廊下の方から刹那さんの声が聞こえる。

「……家政婦じゃないのに、もう!」

もう一つ枕をドアに向かって投げつけると、私は渋々ベッドから起き上がり身支度を整えてからキッチンに向かった。

昨日いろいろ仕込んだし、準備にそんなに手間はかからない。

昨日の残った味噌汁を温めて、昨日塩麹を塗っておいたサワラを焼いて、炊飯予約しておいたご飯をよそい、それらをダイニングテーブルに並べる。

後は、冷蔵庫に入っている飯の友を並べれば出来上がりだ。

全部並べ終わると、ネクタイを結びながら刹那さんがスーツ姿で現れた。

「ずいぶん手際がいいな」

テーブルの料理を見てそう感想を述べると、刹那さんは席についた。

「手の込んだものはありませんよ。サワラの西京焼きは明日が食べ頃ですけど、悪くはないと思います」

私も席につくと、刹那さんと一緒に頂きますをしてご飯を食べた。
< 88 / 288 >

この作品をシェア

pagetop